墓じまいを考え始めたものの、「最初に石材店へ連絡すればよいのか」「役所では何を申請するのか」と迷っていませんか。
墓じまいは墓石を撤去する工事だけではありません。家族や墓地管理者との話し合い、遺骨の行き先の決定、改葬許可の申請など、複数の手続きを順番に進める必要があります。
先に工事を決めると、必要書類が間に合わなかったり、墓地指定の石材店が判明して見積もりを取り直したりすることもあります。
この記事では、墓じまいの手続きと流れを9つの段階に分け、必要書類や散骨・手元供養を選ぶ場合の注意点まで解説します。
先に結論
墓じまいは、①家族と相談する、②現在の墓地管理者へ連絡する、③遺骨の行き先を決める、④必要書類と改葬許可をそろえる、⑤遺骨の取り出しと墓石撤去を行う、という順番が基本です。
墓じまいは「遺骨の行き先を決めてから撤去」が基本
墓じまいを滞りなく進めるには、墓石撤去を出発点にしないことが大切です。まず関係者と役割を整理し、遺骨をどこへ移すのか決めてから、行政手続きと工事へ進みます。
墓じまいに関係する5者
| 関係者 | 主な役割 |
|---|---|
| 家族・親族 | 墓じまいの方針、供養方法、費用負担を話し合う |
| 現在の墓地管理者 | 埋蔵・収蔵の証明、墓所返還や工事の手続きを案内する |
| 新しい供養先 | 受入証明書や使用許可証などを発行する |
| 自治体 | 必要な場合に改葬許可証を交付する |
| 石材店・墓じまい業者 | 遺骨の取り出し、墓石撤去、更地化を行う |
墓じまいでは、誰か1者へ連絡すればすべて完了するわけではありません。どこまで代行してもらえるかは事業者によって異なるため、自分が連絡・申請する範囲も確認しましょう。
最初に石材店へ撤去を依頼しない
墓地や納骨堂へ遺骨を移す場合、原則として改葬許可が必要です。新しい受入先が決まっていない段階では、自治体が求める書類をそろえられないことがあります。
また、霊園や寺院によっては指定石材店があり、墓所返還届や工事届の提出を求められる場合もあります。まず現在の墓地管理者へ相談し、撤去条件を確認してから見積もりを取りましょう。
改葬と墓じまいは同じ意味ではない
「改葬」は、埋葬した遺体や納めた遺骨を別の墳墓または納骨堂へ移すことです。一方の「墓じまい」は、遺骨を取り出して墓石を撤去し、墓所を管理者へ返還する一連の行為を指す一般的な表現です。
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」では、改葬を行うには市町村長の許可を受けなければならないと定めています。墓じまい後に別のお墓や納骨堂へ納める場合は、この改葬手続きが墓じまいの工程に含まれます。
墓じまいを進める9つの手順
ここからは、墓じまいで行うことを実際の順番に沿って説明します。墓地や自治体によって必要な届出は異なりますが、全体像を先に把握すると、次に連絡すべき相手が分かります。
| 順番 | やること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 1 | 家族・親族と話し合う | 家族・親族 |
| 2 | 現在の墓地管理者へ相談する | 寺院・霊園 |
| 3 | 遺骨の人数と記録を確認する | 墓地管理者 |
| 4 | 新しい供養先を決める | 霊園・納骨堂・散骨事業者など |
| 5 | 石材店から見積もりを取る | 指定石材店・墓じまい業者 |
| 6 | 必要書類をそろえる | 現墓地・新しい供養先・自治体 |
| 7 | 改葬許可を申請する | 現在のお墓がある自治体 |
| 8 | 遺骨を取り出して墓石を撤去する | 墓地管理者・石材店 |
| 9 | 新しい供養と墓所返還を完了する | 新しい供養先・現墓地 |
大切なのは、工事日から逆算するのではなく、家族との合意、管理者の条件、供養先、書類がそろった段階で工事日を決めることです。
1.家族・親族と墓じまいについて話し合う
まずは、墓じまいを考える理由と遺骨の供養方法を家族や親族へ共有します。法律上、すべての親族から一律に同意を得なければならないとは限りませんが、相談せずに進めると感情的な行き違いにつながりかねません。
- 墓じまいを行う理由
- 遺骨をどこで供養するか
- 一部を手元に残すか
- 費用を誰が負担するか
- 誰が各所との窓口になるか
海洋散骨を候補にしている場合は、海洋散骨に親族が反対したときの考え方も参考にしてください。
2.現在の墓地管理者へ相談する
家族の方針を整理したら、寺院や霊園など現在の墓地管理者へ連絡します。「撤去を決めた」という伝え方よりも、事情を説明して相談する形で早めに話すと、必要な手続きを確認しやすくなります。
- 墓地使用者の名義
- 指定石材店の有無
- 墓所返還届・工事届の有無
- 埋蔵・収蔵を証明する方法
- 遺骨の取り出しに必要な立ち会い
- 閉眼供養についての考え方
公営墓地、民営霊園、寺院墓地では窓口や規定が異なります。手元の使用許可証や契約書があれば、先に確認しておきましょう。
3.納められている遺骨を確認する
改葬許可申請では、故人の氏名、死亡年月日、埋葬・火葬の場所、埋蔵年月日などの記載を求められます。墓地台帳、墓誌、戸籍・除籍謄本、親族の記憶を照合し、何人分の遺骨が納められているか確認します。
古い遺骨では記録が分からないこともあります。分からない項目を推測で記入せず、「不詳」と記載できるか自治体へ相談してください。複数の遺骨を移す場合、1体につき1枚の申請書が必要な自治体もあれば、別紙名簿でまとめられる自治体もあります。
4.墓じまい後の遺骨の行き先を決める
一般墓、永代供養墓、納骨堂、樹木葬などへ移す場合は、新しい供養先を決めてから改葬許可を申請するのが基本です。自治体によっては受入証明書や使用許可証の写しを求めます。
選択肢を比較したい場合は、墓じまい後の遺骨の選択肢をご覧ください。海洋散骨と永代供養で迷う方は、海洋散骨と永代供養の違いで、供養の形や費用、参拝方法を整理できます。
5.石材店へ現地確認と見積もりを依頼する
墓地管理者から撤去条件を確認した後、石材店へ現地確認と見積もりを依頼します。墓石の大きさだけでなく、墓所までの通路、重機の使用可否、基礎部分の撤去範囲などでも金額は変わります。
- 遺骨の取り出し費用を含むか
- 墓石・基礎・外柵のどこまで撤去するか
- 更地化と廃材処分を含むか
- 追加料金が発生する条件
- 工事届や日程調整を誰が行うか
- 改葬許可証をいつ提示するか
費用の内訳や見積もりの比べ方は、墓じまいの費用と見積もり項目で詳しく解説しています。
6.改葬許可申請に必要な書類をそろえる
必要書類は、おもに現在の墓地管理者、新しい供養先、現在のお墓がある自治体から集めます。自治体の申請書には、現在の墓地管理者が証明する欄が設けられていることもあります。
受入証明書や戸籍書類などは、すべての自治体で一律に必要なわけではありません。申請書を取り寄せる際に、遺骨の人数、申請者と墓地使用者の関係、郵送申請の可否を伝えて確認しましょう。
7.現在のお墓がある自治体へ申請する
改葬許可の申請先は、申請者が住んでいる自治体ではなく、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂がある市区町村です。
担当窓口は、市民課、戸籍課、生活衛生課、保健所など自治体によって異なります。窓口へ行くのが難しい場合は、郵送に対応しているか、家族や代理人による申請が可能かを確認してください。
8.遺骨を取り出し、墓石を撤去する
必要な許可証がそろったら、墓地管理者と石材店へ連絡し、遺骨の取り出しと撤去工事の日程を決めます。改葬許可証は新しい墓地や納骨堂へ提出する書類なので、現墓地で原本を預ける必要があるかは事前に確認しましょう。
閉眼供養を行うかどうかは宗派や家族の考え方によります。寺院墓地では管理者の方針も確認します。また、取り出した遺骨が湿っている場合、新しい納骨先や粉骨事業者から洗浄・乾燥を求められることがあります。
9.新しい供養と墓所返還を完了する
別のお墓や納骨堂へ移す場合は、改葬許可証を新しい管理者へ提出して納骨します。海洋散骨や手元供養を選ぶ場合は、依頼先や現在の墓地管理者と確認した書類を保管します。
工事後は、墓地管理者と更地の状態を確認し、墓所返還届や使用許可証の返却などを行います。保証金や未納管理料の扱いも確認し、工事完了写真、領収書、証明書の写しをまとめて残しておきましょう。
改葬許可申請に必要な書類
改葬許可申請の基本書類は、自治体の申請書と現在の墓地管理者による証明です。ただし、申請者と墓地使用者の関係や自治体の運用によって追加書類が必要になるため、一覧を「全国共通」と考えないことが大切です。
基本となる書類
| 書類 | 主な入手先 | 役割・必要となる場面 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 現在のお墓がある自治体 | 故人や現在地、改葬先などを記載する |
| 埋蔵・収蔵の事実を証する書類 | 現在の墓地管理者 | 遺骨が納められていることを証明する。申請書内の証明欄を使う場合もある |
| 受入証明書・使用許可証 | 新しい墓地・納骨堂 | 自治体から提出を求められた場合に改葬先を示す |
| 承諾書 | 現在の墓地使用者 | 墓地使用者以外が申請する場合に使用する |
| 委任状 | 申請者が作成 | 代理人が申請・受領する場合に使用する |
| 本人確認書類 | 申請者が用意 | 窓口・郵送申請で本人を確認する |
| 戸籍・除籍謄本など | 市区町村 | 自治体が故人との関係などの確認に必要とする場合に提出する |
e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」では、改葬許可申請書の記載事項や、墓地・納骨堂の管理者による証明、墓地使用者以外が申請する場合の承諾書などが定められています。
表にある受入証明書、本人確認書類、戸籍書類などは自治体の運用により異なります。新しい供養先との契約前でも申請できるかを含め、現在のお墓がある自治体へ確認してください。
必要書類は自治体によって異なる
たとえば、申請書に墓地管理者の証明欄がある自治体もあれば、埋蔵・収蔵証明書を別紙で用意する自治体もあります。遺骨1体につき申請書1枚を求める場合と、複数人を別紙名簿へ記載できる場合もあります。
自治体へ確認するときに伝えること
- 現在のお墓・納骨堂の名称と所在地
- 移す遺骨の人数
- 新しい供養方法
- 申請者と墓地使用者が同一か
- 窓口申請か郵送申請か
- 代理人が手続きするか
申請書のダウンロードだけで判断せず、最新の案内や記入例も確認すると、書類の取り直しを防ぎやすくなります。
改葬許可証を受け取った後の扱い
改葬許可証は、一般的に現在の墓地で遺骨を取り出す際に提示し、新しい墓地や納骨堂へ納骨するときに提出します。原本の提出先とタイミングは、双方の管理者へ確認してください。
提出前に写しや写真を保管しておくと、後から手続きの経緯を確認しやすくなります。原本を紛失した場合の再交付については、交付した自治体へ相談しましょう。
散骨・手元供養・分骨を選ぶ場合の手続き
墓じまい後の遺骨を墓地や納骨堂へ移さない場合、一般的な改葬とは手続きの考え方が異なります。ただし「改葬許可は不要」と自己判断せず、自治体、墓地管理者、依頼先の3者へ確認することが重要です。
散骨は改葬に該当しないと案内する自治体がある
法律上の改葬は、遺骨をほかの墳墓や納骨堂へ移す行為です。そのため、散骨は改葬許可の対象ではないと案内している自治体があります。
一方で、現在の墓地から遺骨を持ち出す際に墓地管理者独自の届出が必要になったり、散骨事業者から遺骨の由来を示す書類を求められたりする場合があります。散骨を予定している旨を伝え、必要書類を事前に確認しましょう。
海洋散骨の法的な考え方は海洋散骨の法律・違法性、墓じまい後の工程は海洋散骨の流れで確認できます。散骨前の遺骨の処理については、粉骨とは何かも参考にしてください。
自宅で手元供養する場合
自宅で遺骨を保管する行為は、ほかの墳墓や納骨堂へ移す改葬には当たらないと案内している自治体があります。ただし、墓地から遺骨を引き取るために管理者への届出や証明が必要になることがあります。
将来、遺骨を墓地や納骨堂へ納める可能性があるなら、埋蔵・収蔵証明書や遺骨引渡証明書などを保管しておきましょう。一時的に自宅へ置いた後で別の墓地へ移す計画なら、最初から改葬手続きを行うべきか自治体へ相談すると安心です。
自宅での保管方法や注意点は、手元供養とは何かで詳しく解説しています。
遺骨の一部を残す分骨の場合
遺骨の一部を別に分ける「分骨」は、遺骨の全部を移す改葬とは異なります。墓地や納骨堂に納められた遺骨を分骨するときは、管理者から分骨した事実を証する書類を受け取ります。
分骨した遺骨を別の墓地や納骨堂へ納める際は、その証明書を新しい管理者へ提出します。海洋散骨と手元供養を組み合わせる場合も、後の経緯を確認できるよう証明書を大切に保管してください。
墓じまいにかかる期間とスケジュール
墓じまいは、書類だけでなく家族や管理者との調整にも時間がかかります。短期間で終わると決めつけず、数か月単位で余裕を持ち、法要や納骨・散骨の予定から逆算しましょう。
完了まで数か月を見込む
| 工程 | 時間がかかりやすい要因 |
|---|---|
| 家族との話し合い | 供養方法や費用負担が決まらない |
| 墓地管理者との調整 | 面談や寺院内の手続きが必要になる |
| 供養先選び | 資料比較、見学、契約が必要になる |
| 改葬許可申請 | 郵送、書類不備、複数遺骨の確認に時間がかかる |
| 撤去工事 | 繁忙期、天候、指定石材店の日程に左右される |
| 新しい供養 | 納骨日や散骨日の調整が必要になる |
必要期間は案件ごとに異なります。自治体の処理日数だけで予定を組まず、書類収集や家族との話し合いも含めて考えましょう。
法要や彼岸の時期から逆算する
一周忌や三回忌に合わせて納骨したい場合や、お盆・彼岸に親族が集まる場合は、その日から逆算します。寺院や石材店の繁忙期、梅雨や積雪など工事に影響する季節も考慮してください。
海洋散骨を選ぶ場合は、船の運航状況や希望海域の気候にも左右されます。墓石撤去日と散骨日を同日に近づけすぎず、遺骨を一時保管する場所も決めておくと落ち着いて進められます。
墓じまいの手続きを自分で進めるか代行を利用するか
書類の確認や各所との連絡は自分でもできますが、遠方のお墓や複雑な名義関係では負担が大きくなります。できる・できないの二択ではなく、難しい工程だけ相談する方法もあります。
自分で進めやすい人
- 現在のお墓が近く、現地へ行きやすい
- 墓地使用者が明確である
- 遺骨の人数や記録が分かっている
- 自治体や管理者と平日に連絡できる
- 新しい供養先が決まっている
これらに当てはまる場合でも、墓石撤去は墓地の規定に従い、石材店へ依頼するのが一般的です。行政書類だけ自分で進めるなど、工程を分けて考えましょう。
代行を検討しやすい人
- お墓が遠方にあり、現地へ何度も行けない
- 複数の関係者との日程調整が難しい
- 墓地使用者や埋蔵記録が不明である
- 寺院との話し合いに不安がある
- 平日に書類取得や問い合わせをする時間がない
- 撤去と墓じまい後の供養をまとめて相談したい
代行を利用する場合は、書類取得、役所への申請、寺院との連絡、遺骨の移送、撤去工事のうち、どこまで料金に含まれるか確認します。
代行を頼んでも本人の判断が必要な手続きがある
専門業者へ相談しても、家族の方針決定や供養先の契約まで自動的に決まるわけではありません。代理申請では委任状が必要になる場合があり、自治体や墓地管理者から本人確認を求められることもあります。
契約前に、代行範囲、行政書類の取得費、交通費、現地立ち会い、追加料金の条件を書面で確認しましょう。「一式」という表記だけで判断せず、自分が行う作業を明確にすることが大切です。
墓じまいの手続きが進まないケースと対処法
墓じまいでは、名義や古い遺骨の記録が分からず、予定どおり進まないこともあります。行き詰まったときに工事を先行させず、どの関係者へ確認すべきかを整理しましょう。
墓地使用者と申請者が異なる
改葬を申請する人が墓地使用者ではない場合、墓地使用者の承諾書を求められます。墓所の名義変更が必要になることもあるため、現在の墓地管理者と自治体の双方へ確認してください。
古い遺骨の氏名や死亡年月日が分からない
墓地台帳、墓誌、戸籍・除籍謄本、親族の記録を確認します。それでも分からない場合は、不詳として申請できるか自治体へ相談します。推測で記載すると、証明内容と一致せず書類を直す原因になります。
墓地管理者が分からない
地域の共同墓地などで管理者が分からない場合は、墓地所在地の自治体へ相談します。自治会や地域の墓地管理組合が管理していることもあります。管理者不明のまま石材店へ撤去を依頼しないでください。
寺院との話し合いがまとまらない
これまで供養してもらったことへの感謝を伝えたうえで、墓じまいの事情を説明します。費用を提示された場合は、離檀料、未納管理料、閉眼供養のお布施、撤去関連費用を分けて確認しましょう。
金額や返還条件は書面で残し、当事者だけで解決が難しい場合は、自治体の相談窓口や消費生活センター、法律の専門家へ相談する方法があります。
新しい供養先が決まらない
供養先を決めきれないときは、先に墓石撤去だけを急がないことが大切です。遺骨を一時的にどこで保管できるか、将来の改葬手続きをどう扱うかを、現在の墓地管理者と自治体へ相談してください。
契約・工事前のチェックリスト
工事契約の前に、家族、墓地、自治体、供養先の確認がそろっているか見直します。未確認の項目があれば、その相手へ連絡してから日程を確定しましょう。
墓じまい手続きの確認事項
- 家族へ墓じまいの理由と供養先を共有した
- 現在の墓地使用者を確認した
- 墓地管理者へ事前に相談した
- 指定石材店の有無を確認した
- 納められている遺骨の人数を確認した
- 墓じまい後の供養方法を決めた
- 必要書類を現在のお墓がある自治体へ確認した
- 必要な許可証がそろう前に工事を始めない
- 撤去範囲と追加料金を書面で確認した
- 墓所返還に必要な書類を確認した
- 許可証や証明書の写しを保管する
- 工事・遺骨引き渡し・新しい供養の日程を調整した
すべてを一度に決める必要はありません。まずは「現在の墓地管理者への相談」と「遺骨の行き先の検討」から始めると、必要な手続きが具体的になります。
墓じまいの手続きに関するよくある質問
最後に、申請先や必要書類など、墓じまいの手続きで迷いやすい点を整理します。自治体や墓地による違いがある項目は、個別確認を前提にしてください。
墓じまいでは最初に何をすればよいですか?
最初に家族と方針を話し合い、現在の墓地管理者へ相談します。石材店との工事契約より先に、墓地の返還条件と遺骨の行き先を確認しましょう。
墓じまいには改葬許可証が必ず必要ですか?
遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は原則として必要です。散骨や自宅保管は改葬に該当しないと案内する自治体もありますが、墓地管理者独自の手続きがあるため、自己判断せず確認してください。
改葬許可はどこの役所へ申請しますか?
現在遺骨が納められている墓地または納骨堂の所在地を管轄する市区町村へ申請します。申請者の住所地や新しい供養先の所在地ではありません。
改葬許可申請にはどの書類が必要ですか?
改葬許可申請書と現在の墓地管理者による埋蔵・収蔵の証明が基本です。受入証明書、承諾書、本人確認書類、戸籍書類などの要否は自治体や申請者の状況によって異なります。
遺骨が複数ある場合は人数分の申請が必要ですか?
1体につき1枚の申請書を求める自治体と、別紙名簿で複数人を記載できる自治体があります。遺骨の人数を伝えたうえで、申請先へ確認してください。
散骨する場合も改葬許可は必要ですか?
散骨は法律上の改葬に該当しないとして、改葬許可の対象外と案内する自治体があります。ただし扱いを全国一律に決めつけず、現在のお墓がある自治体、墓地管理者、散骨事業者へ確認しましょう。
手元供養する場合はどの証明書を残すべきですか?
埋蔵・収蔵証明書や遺骨引渡証明書など、遺骨の由来と引き渡しの経緯が分かる書類を保管すると安心です。将来墓地へ納める場合の手続きも、自治体へ確認してください。
家族や行政書士が代理で申請できますか?
代理申請に対応する自治体はありますが、委任状や代理人の本人確認書類などを求められる場合があります。墓地使用者以外が申請する場合は、承諾書も確認してください。
遠方のお墓でも郵送で手続きできますか?
郵送申請に対応する自治体もあります。返信用封筒や本人確認書類の写しなどが必要になることがあるため、送付前に担当窓口へ確認しましょう。
墓じまいの手続きはどこまで業者に任せられますか?
書類案内、現地調査、石材店の手配、遺骨の移送、供養先の紹介など、対応範囲は業者によって異なります。行政申請を代行できる資格者との連携や、別料金になる業務も確認してください。
まとめ|遺骨の行き先と必要書類を確認してから工事を進める
墓じまいは、墓石撤去から始めるのではありません。まず家族と話し合い、現在の墓地管理者へ相談し、遺骨の行き先を決めることが出発点です。
別の墓地や納骨堂へ移す場合は、現在のお墓がある自治体へ改葬許可を申請します。必要書類や複数遺骨の申請方法、郵送対応は自治体によって異なるため、最新の公式案内を確認してください。
散骨、手元供養、分骨を選ぶ場合も、自治体・墓地管理者・依頼先へ確認し、遺骨の由来が分かる書類を残しておくと、将来の選択肢を狭めにくくなります。
自分で進めるのが難しいと感じたら、すべてを任せられると考えるのではなく、書類、現地確認、撤去、遺骨の移送など、どの工程を相談したいか整理して事業者の対応範囲を比べましょう。
墓じまいの手続きや現地対応を相談したい方へ
お墓が遠方にある場合や、管理者・自治体・石材店との調整が難しい場合は、専門業者へ対応範囲を確認する方法があります。費用だけでなく、書類案内、現地調査、撤去後の供養までどこを任せられるか確認してから検討しましょう。


